「子どもにスマホをいつ持たせるべきか?」は親にとって悩みのタネです。いつかは持たせないと分かっていても、じゃあどのタイミングで持たせるのが正解なのか。
スマホを使いすぎないか、勉強や睡眠時間が削られないか、人間関係やトラブルに巻き込まれないか、など心配は尽きません。
そこで今回は子を持つ親御さん300名を対象に「子どものスマホデビュー」についてアンケートを取りました。
▼「スマホデビュー」調査概要
調査期間 | 2025年2月17日~2月25日 |
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調査方法 | クラウドワークスによる調査 |
調査対象 | 10年以内に子どもにスマホを持たせた経験がある方 |
質問内容 | 質問1. 初めて子供にスマホを持たせたのはいつですか? 質問2. そのタイミングで持たせた一番の理由を教えてください 質問3. 子供にスマホを持たせるときに不安はありましたか? 質問4. どのような不安がありましたか?以下に該当するものをお選びください(複数回答OK) 質問5. 特にどの不安が強かったですか?できるだけ具体的に教えてください。 質問6. 不安解消のために何か対策をしていましたか?できるだけ具体的に教えてください。 質問7. そのタイミングで持たせて良かったですか? 質問8. そのように回答した理由を具体的に教えてください 質問9. 子供にスマホを持たせて良かったことは何ですか? 質問10. 子供にスマホを持たせて良くなかったことや後悔してることはありますか? 質問11. 初めて持たせたスマホの機種は何でしたか? |
有効回答者数 | 300名 |
結果については以下の通りとなりました。
22.7%の親が「中学1年生」からスマホを渡したと回答
もっとも多かったのは「中学1年生」という回答で22.7%でした。
続いて多かったのは「小学1年生」で13.3%が回答しています。
小学校や中学校へ進学するタイミングがスマホを持たせる時期として分かりやすいのかもしれません。
学年によってスマホを持たせる理由は変わってくる
子どもにスマホを持たせた理由についても回答いただきました。結果は子どもの年齢によって回答はさまざまで1つに絞ることが難しかったです。
ただし、年齢別でみると大きく以下のような傾向があることが分かりました。
▼年齢・学年別の大きな理由
就学前 | GPS、子どもの安全、動画視聴 |
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小学校低学年 | 留守番や連絡手段 |
小学校高学年 | 留守番や連絡手段 |
中学生 | 部活や友達との連絡 |
高校生 | 自己管理できる年齢のため |
具体的にあげられた体験も見ていきます。
① 就学前 ・・・ GPS、子どもの安全、動画視聴
- 子どもの安全を守るためにGPSを持たせたかった
- 小学生から持たせたるつもりだったので就学前にまず練習として触らせていた
- 子どもがスマホに興味を持ち、自分のスマホを取られるのが嫌だったため
- 家事をしているときに大人しくしてもらうため
② 小学校低学年(1~3年)・・・ 留守番や連絡手段
- 共働きのため学校終わりのコミュニケーションや何かあったときの連絡用として
- 小学校にあがると1人で留守番やお友だちと遊ぶために外出をする機会が増えるため
- 放課後は児童館に一人で歩いていくためGPS位置特定のために持たせた
- ママ友と話していてこのタイミングでスマホを持たせる判断している方が多かったから
③ 小学校高学年(4~6年)・・・ 留守番や連絡手段
- 周りの友達がスマホを持つようになり、スマホが欲しいと訴えてくるようになった
- 中学受験の塾に通っていて一人で行き帰りすることもあると思い持たせることにした
- 親が仕事から帰ってくるまでにひとりで家にいることが増えたから
- 習い事の送迎のために連絡がとれるようにした
- スマホを持たせるなら中学に入る前かなと思ってこのタイミングで持たせた
④ 中学生 ・・・ 部活や友達との連絡
- 電車通学となったので緊急時の連絡用として持たせた
- 部活や塾など自宅外での時間が増えてきたため
- 部活に入りチーム内での連絡にLINEが使われるようになったため
- 友達も携帯を持つという話をきき仲間外れになっては困ると感じ購入を決めた
- 進学する高校が決まったら買う約束をしていたので合格と同時に持たせた
⑤ 高校生 ・・・ 自己管理できる年齢のため
- 行動範囲も広がり帰りも遅くなるので、何かと連絡手段に必要だった
- 高校で県外に出たので連絡手段として持たせた
- もう義務教育ではないので自己管理させる意味で持たせた
- 中学入学の説明会でスマホは買い与えないように言われたので高校に入ってからだった
- 中学だと少し早すぎる気がしていたため
小学生の場合はスマホが親との連絡手段として使われることが多かったですが、中学・高校とあがるにつれて親以外の友達などとコミュニケーションを取ることが主な目的へと変わっていくようです。
子どもにスマホを持たせる不安はあった?79.3%が「あった」と回答
では多くの親御さんが子どもにスマホを持たせることを躊躇しなかったのか、という点についてもアンケートを取りました。
その結果、79.3%もの方がスマホをお子さんに渡すときに「不安があった」と回答しています。
ではどのような不安を感じていたのか?
アンケートの回答にあった具体例を紹介します。
「スマホ依存」への不安がダントツで全体の72%
もっとも回答が多かったのは「スマホ依存」への不安で全体の72%(300名中216名が回答)でした。
スマホがひとつあれば音楽も動画も漫画も友達とのコミュニケーションも、何でもできてしまうからこそ子どもに渡したら手放せなくなるのではないかというのは親として当然の不安です。
具体的には以下のような体験談が寄せられました。
「スマホ依存」に関する回答例
- スマホにのめりこんで睡眠時間や勉強時間など色んなことがルーズになるのではないか
- 勉強も頑張るという条件付きで持たせたが、実際に生活リズムを崩さず自己管理できるか心配だった
- 長男もずっと携帯を見ていて目が悪くなったので次男に持たせるときも心配だった
- ゲーム好きなので熱中してゲーム中毒のようにならないか不安だった
- 感性豊かな子供時代に自然などに触れずにスマホばかり見てしまうのではないか
- 仲間外れをおそれてスマホを手放せなくなるのではないか
「スマホ依存」といってもゲームだったり、LINEのような友達とのコミュニケーションツールだったり、依存先はさまざまです。
スマホを手放さなくなること自体に不安を感じる方もいれば、スマホを見すぎてしまうことで勉強時間しなくなってしまったり、夜ふかしして生活リズムが乱れるといった副次的な悪影響を心配する声も多くありました。
「スマホ依存」への不安に対してどのような対策をしたかについても回答いただきました。
「スマホ依存」への対策例
- 1日◯時間、夜何時までなど、スマホの利用時間を決めた
- スクリーンタイムでアプリが使える時間を制限した
- 親子で話し合い生活に支障が出たらスマホを一定期間取り上げた
- リビングに充電スポットを作り寝る前は全員そこにスマホを置いていく仕組みをつくった
- 勉強時間や寝る時間はスマホをリビングに置かせるようにした
「有料サイトやアプリへの課金」への不安は全体の49.67%
つづいて多かったのが「有料サイト・アプリへの課金」への不安です。
こちらは300名中149名が回答して、全体の49.67%が感じていた不安となります。
「有料サイト・アプリへの課金」に関する回答例
- ゲームアプリに課金して高額な請求が来てしまわないか
- 子どもが勝手にゲームに課金してしまう話をよく聞くので心配だった
- 無意識のうちに課金ボタンを押してしまわないか
「有料サイト・アプリへの課金」への対策例
- フィルタリングをして勝手にアプリをダウンロードできないように設定した
- 何かをインストールする際に親の承認や親に通知がくるようにしている
- 定期的に課金をしていないかスマホをチェックしている
「視力の低下」の不安は全体の46.33%
スマホの小さい画面を見すぎることで目が悪くなることを懸念された声も多くありました。
「視力の低下」は300名中139名が回答して、全体の46.33%が感じていた不安となります。
「視力の低下」に関する回答例
- 自分自身も携帯に依存し暇さえあればメッセージをして視力が悪くなった経験がある
- もともと視力が0.02だったのでスマホを使い始めたらさらに悪化するだろうと心配だった
- 授業や宿題もパソコンやタブレットなので一日中目を酷使している
「視力の低下」への対策例
- 授業は仕方ないので、友達とのやり取りに時間制限を設けた
- スマホを持たせるのは外にいる間だけにした
- 30分使ったら遠くを見ようと約束した
スマホを持たせて後悔した?66%の方が「スマホを持たせて良かった」と回答
さまざまな不安を抱えながらお子さんにスマホを持たせた結果、親御さんは後悔したのか・してないのかについてもアンケートを取りました。
「スマホを持たせて良かったですか?」という質問には、66%が「良かった」と回答。
30.3%が「どちらともいえない」、「良くなかった」と回答したのは3.7%にとどまりました。
スマホを持たせること自体に不安はあるものの、多くの方は持たせたことに後悔はしていないようです。
具体例をみていくと以下の通りになりました。
良かったこと
- 万が一のときにすぐ連絡が取れるので安心感がある
- 友達との約束もグループLINEなので仲間外れにならなくて良かった
- 引っ越しが多かったが遠方の友達や親戚ともLINE通話できて良かった
- 遠方の祖父母とLINE交換をしているので祖父母も喜んでいる
- 特に大きなマイナスな出来事がなかったし、何かあったときの連絡手段になっている
- 自分で分からないことは調べるクセがつき親の負担が減った
悪かったこと
- テスト前にゲームやYouTubeをしてなかなか勉強を始めなかった
- ちょっと時間あればスマホゲームをしている
- スマホ利用のルールはなし崩しとなってしまった
- 夜遅くまで画面を見ているので視力が悪くなった
- 友達関係を把握しづらくなった
- 飲食店に行ったとき以前は親子で会話していたが今はすぐスマホをいじってしまう
興味深いのは「どちらともいえない」が30.3%いる点です。
スマホを渡したことのメリットもデメリットも両方ある。なので一概に良かったとも悪かったとも言えない。だから「どちらともいえない」という意見です。
それに子どもの成長過程においてスマホがどのような影響を与えるのかは未知数ですから、現状では問題なかったとしてものちのちどうなるかわからないというのもあるのでしょう。
初めて持たせたスマホはAndroidが47%で多数派!
どのような機種を子どもに渡したかについては、Androidと回答した方が47%でした。
日本ではiPhoneが人気なので子どももiPhoneを欲しがることが多いですが、初めてのスマホの場合は比較的安価なAndroid端末が人気のようです。
親のおさがりを渡すケースもあるようで各家庭でさまざまな工夫をされているようです。
まとめ
今回は子どもにスマホを持たせた時期について調査を実施して、その結果を紹介しました。
79.3%の方が「不安を感じていた」と回答していましたが、66%の方が結果として「スマホを渡して良かった」とポジティブな回答をしています。
便利すぎるがゆえに負の側面ばかり思い浮かぶスマホですが、親と子がしっかりと話し合いルールを決めることが大事なのかもしれません。
今、不安を感じている親御さんもこのアンケート結果を見て、ご自身の家庭でどうスマホと向き合っていくか考えてみてはいかがでしょうか。